Dockerコンテナとは?仕組みや利用するメリット・基本的な使い方をわかりやすく解説!

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これまでの仮想化技術では、環境の不一致によるバグの発生や、仮想マシンの重さによる起動の遅さなど、さまざまな課題がありました。しかしDockerをはじめとするコンテナ技術がその解決策として注目を集めています。

本記事では、Dockerの概要や意味、特徴、メリット、最新の市場動向などをわかりやすく解説します。Dockerやコンテナ技術についてあまり知らない方、開発環境の改善やデプロイメントの効率化を図りたい方はぜひご一読ください。

目次
  1. Dockerとはコンテナ型仮想化技術のひとつ
    1. 仮想化技術って?
    2. 仮想化技術の種類(ホスト型・ハイパーバイザー型・コンテナ型)
  2. Dockerを使うと何ができる?
    1. アプリケーションのパッケージ化
    2. 開発・検証・本番の環境を統一できる
    3. リソースを最大限に活用できる
  3. Dockerを利用するメリット
    1. 動作が軽い 
    2. 環境構築が簡単
    3. 複数人での開発にも向いている
  4. Dockerを使用する際の注意点
  5. Dockerの最新の市場動向
    1. コンテナ技術が拡大している要因
    2. コンテナ技術における課題
  6. まとめ
    1. さくらインターネットのコンテナー型GPUクラウドサービスのご紹介

Dockerとはコンテナ型仮想化技術のひとつ

Dockerコンテナは、仮想化技術のなかでもコンテナ型方式を採用した実装の代表格です。

仮想化技術には、主に「ハイパーバイザー型」、「ホスト型」、「コンテナ型」の3つの方式があります。Dockerコンテナは、このなかでもコンテナ型方式を採用した実装の一つです。各方式にはそれぞれ特徴があります(※詳しくは後述)。

Dockerコンテナとは、軽量で高速に動作するコンテナ型仮想環境用のプラットフォームです。アプリケーションとその実行に必要な環境を一つのパッケージにまとめ、どこでも同じように動作させることができます。

仮想化技術って?

「仮想化技術」とは、クラウドサービスをはじめ、多くのアプリケーションやシステムの発展に欠かせない基盤技術です。

簡単にいえば、仮想化技術とは物理的なハードウェアをソフトウェアで制御し、より効率的に利用する技術です。たとえば、1台の物理サーバを複数の仮想サーバとして使用したり、複数の物理ストレージを1つの大きな仮想ストレージとして扱ったりすることができます。

この技術は日々進歩しており、現在ではサーバやストレージだけでなく、クライアントデスクトップやネットワークまで仮想化することが可能となっています。身近な例として、スマートフォンで複数のアプリを同時に動かせるのも、一種の仮想化技術が使われているからだといえます。

仮想化技術の種類(ホスト型・ハイパーバイザー型・コンテナ型)

仮想化技術には主に3つの方式があります。ホスト型、ハイパーバイザー型、そしてコンテナ型です。それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けられています。

それでは、各方式の特徴を見ていきましょう。

■ホスト型
ホスト型は、既存のOSの上に仮想化ソフトウェアをインストールし、その上で仮想マシンを動作させる方式です。一般的なパソコンでも利用しやすいのが特徴ですが、複数の仮想マシンを使用する場合はホストOSの介入により処理が遅くなる場合があります。

ハイパーバイザー型
ハイパーバイザー型は、ハードウェアの上に直接仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザー)を配置し、その上で複数の仮想マシンを動作させる方式です。ホスト型よりも高速でリソース効率もよいですが、「環境構築や起動に時間がかかる」、「ファイルサイズが大きくなる」といったデメリットがありました。

コンテナ型
コンテナ型は、アプリケーションとその実行環境を「コンテナ」という軽量なパッケージにまとめる仮想化技術です。ホストOSの上にコンテナエンジンを置き、その上でコンテナを動作させます。特長は、リソース効率や可搬性の高さです。起動が速く、必要に応じて簡単にスケールアップ・ダウンができるため、柔軟に運用できます。なお、最近になって人気となっていますが、1980年頃から存在していました。

Dockerは、このコンテナ型仮想化技術を実装したものの一つです。その使いやすさと効率性から、とくに開発現場やクラウド環境での利用が急速に広まっています。

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Dockerを使うと何ができる?

Dockerを使うことで、アプリケーションの開発や運用が効率化されます。主に次のようなことをできるようになります。

アプリケーションのパッケージ化

Dockerを使うと、アプリケーションとその動作に必要な環境を、コンテナにまとめることができます。

たとえば、Pythonで開発したWebアプリケーションを考えてみましょう。通常なら、Python環境、必要なライブラリ、Webサーバなどを個別にセットアップする必要があります。ですがDockerを使えばこれらをすべて一つのイメージにまとめられます。

従来のハイパーバイザー型の仮想化では、アプリケーションごとに仮想マシンを用意する必要がありました。しかしDockerなら、必要な部分だけをパッケージ化できるので、より効率的といえます。

開発・検証・本番の環境を統一できる

Dockerなら開発環境、テスト環境、本番環境を、まったく同じコンテナを利用できます。これもDockerイメージにOSやアプリケーションなど実行に必要なものがすべてそろっているからです。どの環境でも変わらないため、アプリケーション開発の安定化につながるでしょう。

ハイパーバイザー型の場合、環境ごとに差異が生じやすく、「開発環境では動くのに本番環境では動かない」といった問題がよく起こりましたが、そうした問題を防ぐことが可能です。

リソースを最大限に活用できる

Dockerは、OSレベルの仮想化技術を採用しており、一台のサーバ上で複数のコンテナを効率よく実行できます。従来の仮想マシン方式とは異なり、プロセス分離方式を用いているためです。

OSを完全に複製する必要がなく、必要最小限のリソースだけを各コンテナに割り当てることができます。たとえば、一つのサーバ上で複数のWebアプリケーションとデータベースを同時に稼働させることが可能です。

また、サーバのリソースを無駄なく活用できるため、インフラの効率が向上し、より多くのアプリケーションを同じハードウェア上で運用できるようになります。

Dockerを利用するメリット

Dockerを利用することで、開発者や運用者はメリットを享受できます。以下、具体的なメリットを見ていきましょう。

動作が軽い 

Dockerコンテナは、ホスト型・ハイパーバイザー型の仮想マシンと比べて軽量です。ホストOSのカーネルを共有し、必要最小限のリソースだけを使用するため、起動が速く、メモリ消費も少なくなります。

同じハードウェア上でより多くのアプリケーションを同時に実行でき、リソースの効率的な活用が可能になります。また、コンテナの起動と停止が迅速なため、必要に応じて柔軟にスケールアップやダウンができます。

環境構築が簡単

これまでの方法では、サーバのセットアップ、必要なソフトウェアのインストール、設定ファイルの調整などを手動でおこなう必要がありました。時間がかかり、エラーが発生しやすい作業でした。

Dockerを使用すると、環境構築のプロセスが簡素化されます。Dockerfileと呼ばれる設定ファイルを駆使して、アプリケーションの実行環境を細かく定義できるためです。

また、Docker Hubなどの公開リポジトリから既製の環境をダウンロードして使用することも可能で、環境構築にかかる時間や労力を削減できます。

複数人での開発にも向いている

Dockerは、複数人での開発において、多くのメリットをもたらします。Dockerイメージを用いるこで、すべての開発者が同一の環境で作業できるため、環境差によるバグやトラブルを減らすことができます。さらに、Dockerファイルに記述された環境設定をシステムで管理することで、環境の変化を履歴として追跡し、必要に応じて以前のバージョンに戻すことができます。これにより、開発環境の安定化と問題発生時の迅速な対応を可能にします。

Dockerを使用する際の注意点

Dockerは便利なツールですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。

まず、Dockerを使用する前に、ホストOSがDockerに対応しているかどうかを確認する必要があります。すべてのOSがDockerをサポートしているわけではないため、あらかじめ確認することが重要です。

次に、異なるOSでの動作を検証したい場合は、それぞれのOSがインストールされた別のマシンが必要になることを理解しておきましょう。Dockerは環境の再現性に優れていますが、すべてのOS環境を完全に再現できるわけではありません。

そして、学習の難易度が比較的高いことも認識しておくべきでしょう。コマンドラインの操作やネットワーク、ファイルシステムに関する知識が必要になることがあります。

Dockerの使い方、動かし方については、以下のシリーズを参考にしてください。

Dockerの最新の市場動向

コンテナ技術市場は急速に成長しており、世界規模で見ると2021年には約4億9,640万米ドルの規模でした。

市場は今後も拡大を続け、2031年までには約32億3,420万米ドルに達する見込みです。予測期間中の「年間成長率(CAGR)」は19.8%と高く、さらなる成長を遂げるでしょう。

Docker以外のコンテナテクノロジーとしては、KubernetesやApache Mesosなどが挙げられます。

また、新型コロナウイルスの流行は、各界に影響を及ぼしましたが、コンテナ技術に関しては企業のデジタル化が進んだことで追い風となった側面があります。

コンテナ技術が拡大している要因

コンテナ技術市場の急速な拡大の背景には、世界的な「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の波があります。多くの企業が従来のITシステムを見直し、最新システムへの移行を進めています。

コンテナ技術はアプリケーションの開発から展開、スケーリングまでを効率化し、クラウドネイティブな環境での運用を容易にするため、DXの推進に適しています。

とくに、マイクロサービスアーキテクチャの採用やクラウド移行を進める企業にとって、コンテナ技術は欠かせないツールとなっています。

コンテナ技術における課題

コンテナ技術の主な課題は、セキュリティ面です。主な脆弱性として、コンテナイメージ、認証、ネットワーク、アプリケーションの各側面が挙げられます。

とくに、オンラインで共有されるイメージにマルウェアが埋め込まれるリスクや、認証情報の流出による不正アクセス、暗号化されていないネットワークでのSQLインジェクション攻撃、アプリケーションコードの改ざんなどが脅威となっています。

まとめ

Dockerに代表されるコンテナ技術は、アプリケーション開発と運用の効率化に貢献しています。軽量で高速な動作、簡単な環境構築、開発環境の統一化などのメリットがあります。

市場規模も急速に拡大しており、今後さらなる成長が期待されています。一方で、セキュリティ面での課題も存在します。自社のニーズに合わせてDockerを活用することで、より効率的なシステム開発・運用が可能となるでしょう。

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さくマガ編集部
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さくマガ編集部

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